コラム

【木とチタン】オマージュな表現方法

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オマージュな表現について。
最近、ステンレス鋼を用いて博多献上柄という博多織をオマージュした意匠ステンレスを仕上げました。
ステンレス鋼の鋼種を選定して色合いから調整しています。 とても美しく仕上がりました。

これを、単純に博多献上柄という柄のテクスチャーだけで表現するとベタ(忠実)にステンレス上に描きますと・・・・・・

どうでしょうか・・・・・・
この試作を行ったのが、今から約8年くらい前ですが。。。 テクスチャーを金属上に単純描画する事のおかしさを痛感した経験でした。
それ故に、この度の、福岡県弁護士会館 博多献上柄オマージュについては、博多献上柄の持つ意味合いや雰囲気や感じ方を大切に仕上げております。

さて、チタンにおける意匠表現です。
木をモチーフに金属への表現をするという企画です。
題材は【焼杉】

建築で黒壁で趣のある木材ですね。
焼杉とは → wiki

このような、表情です。
この表情を感じてオマージュ表現します。

左が写真の焼き杉、右がチタン表面に意匠デザイン研磨加工した焼杉オマージュ(光沢のある表現)。

左が写真の焼き杉、右がチタン表面に意匠デザイン研磨加工した焼杉オマージュ(光沢をなくした表現。)

微妙ではありますが、板厚の選択によっては表面がうねります。

平面の金属表現はとても美しいし、加工精度も高くなります。
その反面、躍動感や、金属特有の光沢感やきらめき等が表現できなくなります。
意図的に3次元意匠パネルにするのも良いのですが、微妙な躍動感を感じてもらえる微妙な湾曲度合いも意匠との兼ね合いで自然に美しく見えます。

金属について、環境に悪いと思われておられる方々が多いのですが、SDGsの観点からもリサイクルできる金属はとても地球にやさしいと思います。
中国では既にステンレススクラップを国内で回して再生産を加速させているようです。

自然の産物である金属は地中から解き放たれた後、何度も再生と崩壊を繰りかえしながら、私たちの生活を守り続けてくれます。

木のオマージュ表現はチタンが最適な表現素材です。
時を超える金属 チタン (トランティクシーチタン)

そのチタンならではのデザイン意匠研磨仕上げをご紹介いたしました。
どうぞよろしくお願いいたします。