コラム

チタンの意匠デザイン加工について

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チタン特に、デザイン系用途意匠チタンは、
”強度が強い” ”軽量” ”非常にさびにくい” ”美しい” ””熱膨張しにくい”という優れた特性があります。

ところで、チタンという金属に対してどのような印象をお持ちでしょうか?

高いんじゃないの?
そもそも流通してるの?
すぐ手に入るの?
加工難しいんじゃない?
レーザーで切れないって聞いたよ!
溶接がめちゃくちゃめんどくさいと聞いた!!
スタッドボルトが立てられないんじゃないの?
硬くてとても曲げられないって聞いた!

このように、たくさんのご質問があります。
確かにステンレス鋼の様に汎用に流通しているかと言えば、否定しませんが、
最近では、小口からでも対応(1枚からでも、切り板でも。。)出来る体制が整いつつあります。

今日は皆様の「チタン素材に対する誤解」を解いてまいります。

そもそも、高いんじゃない? コストの事をよく聞かれます。
確かに、”安いです!”とは言えませんが、ステンレス鋼の比重が7.98に対して、チタンは4.51です。
約2/3の重さです。 つまり、チタンは薄く使うというのがポイントです。
弊社もよくチタンパネルを製造しますが、薄いチタン(0.3mmや0.4mm)の背面に補強のステンレス鋼を用いて強度を担保します。
このように、工夫する事で機能性と価格のバランスをとることが可能となります。


比類なき耐食性や人体への適合性、これらは他の金属にはない性質ですので、コストとのバランスをとってご検討願えればと思います。

では、流通体制です。
現在、日本製鉄株式会社様はデザイニングチタン トランティクシーTranTixxiiⓇに対して、幅広くお使いいただける体制作りを構築されつつあります。
ですから、流通面や、小口対応面、納期面については解消されております。
トランティクシーTranTixxiiⓇについては →→→→→ 詳しくはコチラをご覧ください。 

つぎに
加工難しいんじゃないの?
加工にはいろいろとありますが、切り、曲げ、溶接以下に記載するので、研磨とパネル化についてご紹介します。
基本的に、ステンレス鋼に施すことが出来る意匠研磨は全て、チタンでも意匠研磨加工が可能となります。


※様々な研磨加工を施したデザイニングチタンの表面

加工スピードや、研磨装置などの工夫は若干調整が必要となりますが、汎用的なバフ研磨等は簡単に作業出来ます。
パネル化についても同様です。
<参考>
 チタンのウォールアートパネル
  時を刻む黄金の金属絨毯      ウォールアート → コチラ コチラ
  時を超える黄金の壁面”ヘキサゴン” ウォールアート → コチラ コチラ

では、本題に入っていきます。
「レーザーで切れないって聞いたよ!」という、問い合わせに対しては、
 YAGレーザー切断機かファイバーレーザー切断機で、切断できます。
  YAGレーザーで切断している様子。
 いまでは、たくさんの加工メーカー様が加工設備をお持ちです。

次に、「溶接がめちゃくちゃめんどくさい」とうご質問ですが、
この件については、”酸化をさせない”というポイントを守れば難しくありません。
つまり、溶接する際に、”不活性ガス アルゴン”を掛けながら溶接すれば大丈夫です。

まず、極薄板や薄板の溶接に使用するレーザー溶接について
 

右の写真の”ポチ”となっているところがレーザー溶接の点付けです。
左のような装置で画面を見ながら作業します。
かなり薄いものまで溶接は可能です。
少しわかりにくいかもしれませんが、Tig溶接機の溶接ヘッドからアルゴンを出しています。
(※アルゴンをかけるとは、溶接する場所にアルゴンガスを噴射するという事です。)

つぎに、少しあつい板厚などを溶接するTig溶接機
 これも基本はレーザー溶接と同じです。

最近の機械(背面の装置)はデジタルで様々な設定が可能です。
板厚や品質に合わせて調整すればきれいな仕上がりになります。
もちろん、ステンレス鋼同様に溶接部分を研磨加工して美しく仕上げる事もできます。

つぎは、ボルトなどをとめるためのスタッド溶接です。
 

右の写真がスタッドボルトというネジ山のあるボルトを板に取り付けた写真です。
左の写真が、スタッドボルト溶接機でスタッドボルトを打つところです。
これも、アルゴンを使用するのは同じです。
スパッタが飛ぶとよく言われるのですが、これは作業条件の工夫で随分緩和されます。

では、最後の曲げ加工です。
世の中にはたくさんの曲げ加工マシーンがありますので、ほぼ曲がるとっても過言ではありません。
但し、ここで注意
合金チタンというのはとても硬いので確かに割れる事があるようです。
でも、建材やインテリア、エクステリア、什器やプロダクトに使用されるデザイニングチタンは99%のピュアチタンです。
ですから、

このように、手曲げ装置でも簡単に曲げることが出来ます。

いかがでしたでしょうか?

チタン特に、”デザイニングチタン トランティクシーTranTixxiiⓇ”はとても加工しやすい金属です。
求められる特性は非常に優秀で、そのデザインもあらゆる意匠研磨加工で飛躍的に向上します。

なにより、
   研磨したまま(削ったまま) そのまま 使える ところです。

屋外で、海の近くで、化学プラントで、塗装や、鍍金、コーティングなしでそのまま使えるチタン。
意匠性も向上して適用範囲は増加しております。

是非、一度手に取ってご検討ください。

よろしくお願いいたします。
(※ お気軽に お問い合わせください。 サンプル依頼もどうぞ!)